自分の人生とアイデンティティを決めよう「内向型の生き方戦略」読書感想

自分の人生とアイデンティティを決めよう「内向型の生き方戦略」読書感想

みなさんは外向的な人でしょうか、それとも内向的な人でしょうか。と聞いてみても、自分を客観的に見つめて判断するのは難しいですよね。

  • 社会の一員として、周りに上手く合わせたり、空気を読んだりしながら円滑にコミニュケーションができる「外向型」。
  • 基本的に人とずっといるのが好きでなくて、一人ないし少人数で活動をしたがる「内向型」。

正直なところ正反対とも言えるタイプですが、「外向型」は人口の約8割で、「内向型」が2割ほどなのだそうです。なので当然内向型は周りと性格が合わず学校でも社会でも、あるいは家庭でも苦労するわけです。そんな「内向型」の人たちが自分を理解できるようになる本が非常に参考になったのでご紹介します。

「内向型の生き方戦略」 中村あやえもん氏著

概要

外向型と内向型の役割は異なる

まず、なぜ人には外向型と内向型が存在するのか。

それは、「大勢で社会を維持する」のが外向型、「少数で新しい境地を切り開く」のが内向型なのだそう。今までに出来上がった社会を維持するために、変わったことはせず皆で空気を読み合いながら生活でき、かつ社会の中での地位を競争するのに特化している、それが世界の8割を占める「外向型」人間の役割。反対に、社会にはあまり属さず、常に人と違うことをして新しい境地を開拓する人々が2割の内向型人間。

著者はそれを「社会維持型」「境地開拓型」と表現されています。世の中には、世界を変えるほどの偉業を成した少数の人々がいます。例えばスティーブ・ジョブス、トーマス・エジソン、アインシュタイン等といった人たち。それがいわゆる「内向型」と言われる、周りから見ると一風変わった人たちです。そんな「内向型」の人々が、外向型に合わせたこの社会の中で無理に生きようとすると、才能を発揮できないどころか人と違うことに苦しむことになります。

そんな「外向型」と「内向型」の違いをこれ以上ないくらいわかりやすくまとめて、「内向型」の人がストレス少なく生きていく方法が書かれているのがこの本です。

この本の良いところ

まず言いたいのは、この著書は安すぎます!

kindleでたった380円、なんならkindle unlimited、prime readingの対象商品です。最近電子書籍では個人で気軽に執筆して、好きな値段で売ることができるようですが、安すぎ。堅い文章ではないので、ビジネス書感覚で読もうとすると少し読みづらいところもあるような気はします。にしたって普通に1500円とかで出してもいいだろって内容です。そんな本ですが、個人的に参考になった部分などを紹介します。

先人たちのアドバイスを精査できる

ここまでで、「外向型」と「内向型」の2種類の人間がいると言いました。そこで問題になってくるのが、世の中には無数の「人生におけるアドバイスや説教」があるわけです。けどそれを見聞きして実践しても、自分が良い方向に変わったとは思えないようなアドバイスって、山ほどありますよね。

自分にとって役立つアドバイスと役に立たないアドバイスの違いは何か。それがこの本を読んで、ほぼ全て理解できた気がします。要するに、「外向型」に役立つ教えと、「内向型」に役立つ教えが全く違ったのです。

  • 空気を読む、出る杭は打たれる。
  • 受験を頑張って、いい大学に行ってエリートを目指す
  • 多くの人と仲良くなって、コミニュケーションを大事にする

こういった教えは今では古臭い考えに思われるかもしれませんが、しかしこれは社会維持の役割をもつ「外向型」には大切な教え。しかし、群れることなく、常に人が向かわないところへ向かおうとする「内向型」には無用どころか足を引っ張る教えです。こういった違いが、世の中の混沌を生み出してしまっていると考えるようになりました。つまり、この本を読むと、世の中のどんなアドバイスが自分の役に立つかわかるようになってくると考えます。

内向型はネガティブでいい

内向型の特徴としては

  • ネガティブ思考
  • 完璧主義
  • 人付き合いが苦手
  • 神経質

などといったものがあります。どれも良くない特徴のように思えますよね?

しかし、これらの特徴が良くないというのは社会での話です。内向型の役割というのは、今までの社会にはなかった新たなものを開拓すること。なので、周囲に合わせたり意味のない付き合いをしたり、みんなと同じことをしたりする能力が必要ないのです。その代わり、一人でもやっていけて、自分にしかできないことをやる能力が備わっているのだそうです。

つまり社会で上手くやっていける外向型の能力をもった先人から、

「ポジティブに考えろ!」

「楽観的に考えろ」

「コミニュケーション能力を養え!」

などのアドバイスを受けても、内向型には正反対のアドバイスであり間違っているとすら言えます。

偉人達の言葉が外向型に福音だとは限らない

逆に言えば、内向型の成功者のアドバイスを外向型が聞いても、時には毒になることもあるのではないかと思いました。

ジョブスやアインシュタイン、エジソンらの残した言葉。現代においてITやエンターテインメントに革命を起こした人たちの言葉。成功しているだけに参考にしたくもありますが、

「人と同じことをするな」

「夢中になることをしなさい」

「無駄な飲み会や会議には参加するな」

といった言葉は、社会で生きている外向型にはどうも合わないような気がするのです。僕は思いっきり内向型なので、上記のようなアドバイスはしっくりきます。しかし、周囲の外向型、普通に働いて普通に結婚して子供がいて、車や家を持っているような仲間を見ると、この時代でも普通に生きることが悪いことだとはとても思えません。それこそが根本的な違い、「外向型」と「内向型」の違いと言えるでしょう。

外向型の人にも読んで欲しい

この本のタイトルは「内向型の生き方戦略」です。

一見すると外向型の人には関係無いようなモノに思えるかもしれません。著者の意向にも沿わないかもしれませんが、しかし、外向型にもこの本を読んでみて欲しいと個人的には思います。理由は上記の、現代における「先人達のアドバイスの罠」です。

今は情報が溢れているぶん、ビジネス書も溢れかえって、様々なアドバイスがあります。その中で、自分に合うアドバイスを見つけ出すには、この本に書かれていることが大いに役立ってくれると考えています。今の時代の生き方について、今後また違う記事で語りたいとは考えているので、できたらリンクを下に貼っておこうと思います。

続きを書くというプレッシャーを未来の自分に与えて終わりにします。