投資スタートにおすすめ〜毎月5000円で自動的にお金が増える方法【読書感想】〜

投資スタートにおすすめ〜毎月5000円で自動的にお金が増える方法【読書感想】〜

実は僕のブログって、読書感想とかも書いていたりするんですよ。

スローライフとか言いながら、コーヒー研究に燃え燃えな日々を送っていたのが去年ですが、将来に不安を抱えないよう色々勉強をしていたりもします。特にお金のことに関しては、日々アンテナを張って生きていますね。無駄な出費をしなくて済むよう、老後の不安を軽減できるよう。今回紹介する本は僕はもう1年以上前に読んだ本ですが、iDeCoによる資産運用をスタートするきっかけになった本の一つです。

ミアン・サミ氏著 毎月5000円で自動的にお金が増える方法

僕は過去記事でお金に関する本として、「難しいことはわかりませんがお金の増やし方を教えてください!」という著書を紹介したことがあります。そちらが資産運用に関する初級の本だとすると、今回の本は少し具体的な手法が書かれた中級編だと思ってもらって良いでしょう。

どんなことが書かれた本?

「毎月5000円で自動的にお金が増える方法」に書かれている内容は以下の3つに大別できます。

  • 貧乏マインドから脱する方法
  • 収入から一定額を引いて投資する方法
  • 具体的な投資方法の解説

これからひとつひとつ解説してみましょう。

貧乏マインドから脱する方法

誰もがお金は欲しいと思っていながら、なぜお金持ちになることができないのか。

特に日本人は、一生懸命働いて稼ぐのが美徳、という洗脳が昔からありますよね。むしろ学校というのは、それを植え付けるためのロボット製造機関みたいなものですから。ただ、お金というのはそもそも、自分が世の中に価値を提供した分だけ得られるものなので、汗水垂らして働いたかどうかって、全く関係性がないものなんですよね。しかしながら投資というものは、楽して稼ぐという意識が強い分、洗脳を受けた我々の脳は無意識に反発してしまうものです。そんなに上手くいかないんじゃないか、とか、投資は情報を持っている一部の金持ちしかできないもの、とか。

本著ではそんな知らず知らずのうちに貧乏マインドになっている脳の洗脳を解いていく、ところから始まります。タイトルとはかけ離れたメンタル的なところからいきなり入るので混乱しますが(笑)。でも投資を始めるにあたっては大切なことかもしれません。

収入から一定額を引いて投資する方法

ここからがタイトルの核心に近づいてきます。

そもそも今まで投資をしていなかった、貯金をしていなかった人が、まずはどうやって資金を確保するねんってとこから。結論からいえば、収入から一定額を最初に天引きしてしまう、という単純な方法です。ですがこの単純な方法がやっぱり一番有効ですね。本著では「ウォーターフォール投資法」と表現されている手法です。

支出を固定費、雑費、娯楽費などと段階的に分けて考えて、段階ごとに天引きして投資にまわそう、という考えです。なぜ段階ごとに分けて資産配分するのか。それは、確定拠出年金(企業共済)、NISA、通常投資の順に税金優遇が違うからです。

  • 確定拠出年金は拠出額運用益の一定額非課税
  • NISAは運用益の一定額非課税

通常、投資をして得られた運用益には20%ほどの税金がかかります。それが確定拠出年金(iDeCo含む)やNISAは国の政策で非課税枠があるのです。せっかく運用して利益が出ても、税金で引かれる分は損失になるので、特に複利運用するってなるとかなりの足枷になります。だから税優遇を受けている確定拠出年金やNISAから優先的に使っていくのです。

タイトルにある通り、個人型確定拠出年金(iDeCo)は5,000円から始められるので、とりあえず投資を始めたい人はまず確定拠出年金から考えてみましょう。

具体的な投資方法の解説

そして最後の章に具体的な投資方法の解説。

ここでは、投資する金額をどんな商品に分けるか、つまり資産配分の方法について書かれています。資産配分とは、拠出金の何%を株に、何%を国債に、とかそんな感じ。本著の確定拠出年金やNISAでの運用は、レイ・ダリオ氏の提唱した資産配分をベースにしたものです。提唱した、というと語弊があり、誰でも運用できるように強いて選ぶなら、という妥協案です。

例えば株とかを全て買ってもいいんですが、商品というのは価格の上下があります。ずっと持っていて上がるまで待ってもいいけど、例えば途中で株価が半分になりました!なんてことになったらめちゃくちゃ不安ですよね。レイダリオ氏の資産配分方法は、例えば株が下がるときは国債や金が値上がりしやすいとか、商品を組み合わせてバランスをとりながら安全に運用する方法です。素人の僕から解説すると変な誤解を生んでしまうと思うので、この辺りは是非本著を読んで確認していただきたい。

あと、レイダリオ氏の資産配分については、アンソニー・ロビンス氏著の「世界のエリート投資家は何を考えているのか」という本で紹介されています。これもまた素晴らしい本なのでいずれ紹介したいと思っています。

この本を読んだ感想

表紙の文言が釣り気味

「ウォーターフォール投資法で年利20%以上も可能」と書いてありますが、この表現は誤解を生みますね。

確定拠出年金には非課税制度があるので、それを加味すると実質、という意味です。タイトルだけ見たら運用益が20%を超えると思ってこの本を買ってしまうと思うので、あまり良くない表現と言えます。僕も正直、この文言をみてサギくせえなって思って、買うのを一回躊躇ったくらい。あと、毎月5000円というのも、5000円からできなくはない、という話です。5000円から金持ちになれるわけじゃなく、当然元手が多いほど有利ですのでご注意を。

タイトル回収は後半からやっと

本著は投資の具体的な方法よりも、むしろ投資やお金に対するメンタルについての方が詳しく書かれています。

これはこれで大切なので、読んでよかったとは思っていますが、読んでいるうちに何ていうタイトルの本だったか忘れてしまいましたね笑。お金に対する考えや投資のことなんてわかってるから結論を教えてくれよ、って人は後半から読んだ方がいいと思います。僕はお金や投資信託の勉強については当時この本が比較的最初の方に読んだ本なので、メンタル面に関しても良い勉強になりました。

お金の話に関しては僕の中で賛否両論

本著で書かれている、お金の本質に関する記述は、解説がわかりやすいなと思いつつ、個人的にはうーん…と思う表現も見受けられました。

例えば、政府の2%のインフレ目標によって、政府が毎年2%ずつ国民の貯金から2%のお金を抜き取ると言っているようなものだ、と書いてあります。確かに長い間銀行やタンスにあるお金は毎年目減りしていくでしょう。お金というものは長いスパンで見れば基本インフレしやすいですからね。例えば昔110円だった自販機のコーヒーが今は130円で売られているように。でもこの表現だと、補足説明しなければ一般の人には”インフレが悪いことだ”という印象を与えかねません。

景気が悪くてデフレの時には、お金を刷って、減税して、金利を下げる。これが基本的な経済対策です。インフレ目標とは、経済対策のために2%までならインフレを許すよという意味。なのでそのまま読み取って著者の意思を履き違えてはいけません。あくまで投資しないで貯金だけしかしないのが損、という意味です。

ここまであえて、この本のここはどうなんだろ、ってとこだけ挙げてみました。というのも、お金の運用に関する本っていくらでもあるので、勉強するならこの本意外あり得ない!ってわけではないんですよね。だからこの本は良い本だけど、読むならここだけは注意して、っていうことだけ挙げてみました。

で、ここからが本題↓

どんな人におすすめする本?

資産運用の基本のキがわかっている人

僕の中で、本著は資産運用の中級編(実践編)、みたいな位置付けだと思っています。

投資信託の話や確定拠出年金、NISAの話など、ある程度把握してから読むに越したことはありません。この本から入ってもわかる人もいるとは思いますが、わからないことは調べながら読む必要はあるかと。それに、あることを学ぶのに対して、著者の違う複数の本を読んで学ぶことは非常に有効だと思っています。それぞれ違う角度から説明しているので照らし合わせて学習できるのと、いっぱい読むほど思想の偏りが少なくなります。

もし基本のキから勉強するなら、これを読む前に冒頭で触れた、「難しいことはわかりませんがお金の増やし方を教えてください!」を読んでからこちらを読むとわかりやすいと思います。

何から始めていいかわからない人

じゃあいざ証券口座を選んで、iDeCoやNISA枠を決定するとしましょう。

しかし、肝心の商品(株や債券)は何を買えばいいんだってなりますよね。ヘッジファンドのように、株価や世界情勢、為替なんかを全て見て決定する、なんて普通の人、まして働いている人には無理ですよね。だいいち、どうやってそのノウハウを習得するんだと。本著では、投資のすごい人がやっていることを真似しちゃえ、というスタンス。

例えばレイダリオ氏の投資黄金律と呼ばれる資産配分をベースにしたり、ウォーレンバフェット氏と同じ株を買ったり。お金を増やしたい人で「自分のオリジナルの投資スタイルを身につけたい!」って人どれくらいいます?そんなにいないですよね?とりあえず資産が増えればいいんですよね?なら本著を参考にして始めるといいと思います。僕も本著を参考にして、iDeCoで先進国債券や米株index、金などを一定のバランスで買っています。

一度商品を決めてしまえば、あとは毎月10,000円が自動振り込みされて、勝手に決めたバランスで買ってくれるのでラクラクです。

一般的なサラリーマンの人

ごく普通の家庭に生まれ、普通に教育を受けて、普通に会社勤めをして、普通に家庭を持っている人。

そんな普通の生活を送れる才能を持っているあなたは素晴らしく、羨ましい限りです。ですがそんな普通の環境にいる人ほど、あんまり投資とかお金の話って耳にしないですよね?詐欺の話はよく入ってくると思いますが笑。普通の人が世の中の大半で、そういった人は同僚も先輩も家族も普通の人ですから、新しい情報が入ってこなかったりするんです。

本を読む人も意外と少なかったり。そうすると古い価値観がそのまま受け継がれたりして、新しい時代に合わせた行動をする足枷になったりします。老後2000万円問題とかあるらしいし、政府も国民の資産運用を広めようとしているようですが、だからこそ普通の家庭にも正しい情報が伝わって欲しいものです。本著は投資方法だけではなく、そもそもお金に関する知識からメンタルまで学習できるようになっています。なので、投資の具体的手法を勉強しつつ、働いているのに貧乏という謎状況を脱却するカギにもなるかもしれません。

というわけで、これから投資を始める人におすすめな「毎月5000円で自動的にお金が増える方法」を読んだ感想でした。本著で書かれているおすすめの資産配分は、レイダリオ氏の投資黄金律と呼ばれるものがベースです。元ネタになった「世界のエリート投資家は何を考えているのか」も非常におすすめの本です。

本著だけでも十分投資はスタートできるけど、自分がどんな思想のもとにこの投資方法を使っているのかをよく理解したい人はぜひ読んでみてください。

本著とともにおすすめしたい本