騙されないゼロからの資産運用勉強〜お金の増やし方教えてください【読書感想】〜

騙されないゼロからの資産運用勉強〜お金の増やし方教えてください【読書感想】〜

現代は日本でも、投資をしましょうとか、人生100年時代ですとか騒がれています。投資は早く始めるほど良いので、行動に移すこと自体は良いことです。しかしそれで、

「まずは銀行で聞いてみよう!」

「メールにきていた投資信託の広告について聞いてみよう!」

と思い立つ行動力のある優秀な方はちょっと待ってください!そんな優秀な人だからこそ、現代の投資信託には騙されます。結論からいえば、高い商品、効率の悪い商品を買うと、せっかく働いたお金をドブに捨てることになりかねないという、そんなお話です。FX投資などを勉強していたこともある僕が、僕の人生を変えた愛読書であるところの「お金の増やし方教えてください」の中身を要約しつつ解説します。

投資信託を選ぶ3つの基本

非課税の制度を必ず利用する

税金という最大の損失を抑える

まずは、みんなよく聞く「確定拠出年金(iDeCo含む)」「NISA(積み立てNISA含む)」について触れておきます。この制度はどちらも、国民に投資を促すために国が運用の一定額を非課税にしている制度です。投資も重要ではあるのですが、どうせやるなら、出ていくお金を減らしたいところです。人間が生きるのに一番使うお金は税金です。

  • 年金
  • 健康保険
  • 所得税
  • 消費税

我々の生産活動と消費活動には全て税金が絡んできます。特に所得税、これは一生懸命働いて稼ぐほど、つまり社会に貢献すればするほど累進課税でペナルティを課す、という恐ろしい制度ですよね。まあ税金は公共の福祉に還元されるものですから、ここではそれは良いとしましょう。しかし払いすぎた税金が、資産運用をすることで戻ってくるとすれば、嬉しい制度ではありますよね。

「確定拠出年金(iDeCo含む)」「NISA(積み立てNISA含む)」のいいところをカンタンに言えば、

  • 運用で出た利益の一定額が非課税になる
  • 確定拠出年金は運用のために積み立てた分のお金が非課税(控除)になる

一番嬉しいのは後者の方です。例えば確定拠出年金に月2万円積み立てているとしましょう。そうすると、2万円分は経費と同じように所得控除の対象になって、1年で24万円分にかかるはずの税金がかからない(iDeCoなら戻ってくる)のです。同じ資産運用をするのであれば、確定拠出年金が一番お得で、次にNISA枠がお得になるので、金額の枠いっぱいまでは利用しない手はありません。

手数料の安い会社にする

運用コストが高い会社を選んだ時点で損失確定

次に、投資信託会社はそれぞれ運用のための手数料が違います。

まず、何も勉強せずに銀行などに投資信託の相談に行ってはいけません!銀行の投資信託商品の手数料は得てして高いからです。手数料が高いとどうなるのか、まず、お金を預けた瞬間から手数料分の損失を抱えることになります。投資は、年に5%、よくて10%くらいの利益率を目指していくことになります。これをコツコツ複利運用で増やしていくんです。ここで手数料の高い会社やプランを選べば、即損失を抱えたところからスタートするようなものです。

僕はSBI証券というネット証券を使ってiDeCoで積み立てています。iDeCoなら所得税が掛金分非課税運用益にかかる税金がゼロ加えてSBI証券なら運用コストゼロ円からです。ネット証券なら手数料が安いところが多いので、運用を始めた最初につまづくことがありません。ちなみに、運用する商品(ポートフォリオ)については詳しく触れませんが、ここでは株を買うならインデックスファンドやETFってのににしとけ、とだけ言っておきます。インデックスやETFは、日経平均とか、S&Pとかの株価平均に連動する商品です。基本的に買って持っておくだけだから手数料が安い。これに対して、プロがトレードをして、差益で儲けようとするものをアクティブファンドと言いますが、これは手数料が高くて、えてして成績も良くならないのでオススメしません。

この辺りも本の中でわかりやすく触れています。

長く運用する

複利運用という人類最大の発明を使わない手はない

投資の基本の最後としては、20年、30年という長いスパンで運用することを前提とすることです。投資という言葉を聞いて、デイトレードのように株や為替などで大きく儲ける、みたいな想像をする方もいると思います。厳密にいうと、あれは投資ではなく投機、もっと言えばギャンブルのようなものです。本当の投資は、お金を長く預けてお金に働いておいてもらう、という考えです。

お金を10,000円預けて、1年目に5%の利益が出たとします。ここで利益分を引き出すのではなく、そのまま運用し続けるのです。すると翌年は10,500円からのスタートになるので、また5%の利益が乗ると今度は11,025円。このように利益も含めて運用し続けると、指数関数的に利益が大きくなります。これが「複利運用」です。まあ確定拠出年金の場合、どちらにせよ引き出せるのは60歳になってからなので、そういった運用が勝手にできるシステムではあるのですが。

投資は早い方がいいが、騙されるな

投資は、例え少額からでも早く始めれば始めるほど有利です。

例えあなたが40歳、50歳でもまだまだ若い!そこから投資を初めても遅くなどありません。実際、60歳すぎてから投資を初めて、孫の大学費用を出してあげることができた、なんて話も聞いたことがあります。しかしながら、早速始めるのはいいんですが、むしろそうであって欲しいんですが、最初に触れたように騙されないこともかなり大事です。

本の中でも触れている、騙されないポイントをカンタンにいうと、

  • 銀行ではなくネット証券(楽天とかSBI証券)でやる
  • 金融商品を売っている人に投資のことを聞かない
  • アクティブファンドを選ばない

といったところでしょうか。

「早速投資を始めてみよう!」と思っていただければ幸いですが、まずはこの本を読んでもらえれば、知識のないところからでもわかりやすい内容になっています。

ぜひ一度読んでみてください。