焙煎した豆を冷却 Amazonの怪しいコーヒークーラーを試した【Ryoのお家焙煎】
- 2021.10.29
- コーヒー
Slow Life Ryoのお家焙煎シリーズ。
なんだかしばらくやる気がでなくて焙煎から少し距離をとっていました。基本的に僕は研究が好きなので、新しいテーマを見つけては実験を繰り返す、といった具合でテンションでやり始めます。あまり良いテーマが見つからなかったり、あるいは体調が悪い日が続いたりするとどうしてもモチベが下がってしまう…。そんな僕もワクチンの副反応を乗り越えて、また新しいアイテムを引っさげてきたことで最近また焙煎に意欲が戻ってきました。
みなさん、「コーヒークーラー」って知ってます?焙煎したコーヒー豆って冷却しないと余熱で焙煎が進むので、仕上げたあとは風に当てたりして冷やす工程があります。また、焙煎後は薄皮が剥がれて舞ってしまうので、部屋の中が散らかったりします。コーヒークーラーはファンで風を当てながら、同時に薄皮(チャフ)を回収してくれるという優れたアイテムなんですよ。
コーヒー豆ショップの中でも、豆を注文してその場で焙煎してくれるようなお店には業務用のクーラーが置いてあったりします。しかし、これ家庭用となると、とても普通に手に入るようなものじゃないです。そもそも、コーヒー焙煎器ってもの自体が日本では少ないのに、コーヒークーラーなんてそこらで売ってるわけがねぇ。
今回注文したのはAmazonで、中華製と思われる日本語の怪しいショップで購入しました笑。
EC Hometec コーヒークーラー
コーヒークーラーは何ができるの?
冒頭で先に結論から触れてしまいましたが、改めてコーヒークーラーというものについて説明します。そもそもコーヒークーラーってどんなものなのかというと、ザルがあって、下に冷却ファンがある。これだけ。たったこれだけのクッソ単純な製品なんですが、これが非常に役に立つのです。
焙煎したコーヒー豆を急冷できる。
できることの一つはもちろん、焙煎したコーヒー豆を急冷できることです。
コーヒーを生豆から焙煎していくと、化学変化が進んで焼き色がついていきます。焙煎をどのあたりで止めるかによって、ミディアムローストやダークローストなど、焙煎度に違いが出てきます。ところが、「ここだっ!」って思って焙煎器から豆を出しても、急いで冷却しないと余熱で地味〜に焙煎が進んでいってしまいます。それを防いでくれるのがコーヒークーラー。ファンで風を当てて急冷することで、豆の焙煎の進行を止めてくれるというわけです。
「こんなに深煎りにするつもりじゃなかったのに(´・ω・`) 」
という悩みをなくしてくれます。また、すぐに豆が冷えてすぐに容器やパッケージに移せるので、空気に触れる時間が少ないぶん衛生面も安心ですね。
部屋にチャフが飛散するのを防ぐことができる
お家焙煎をしていて大変なことの一つは、薄皮(チャフ)の問題です。
焙煎後の豆はうちわや扇風機などを使って冷却する人が多いようですが、やはりどこのご家庭もチャフが部屋の中に舞ってしまって大変なんだとか。僕も実際、エアサーキュレーターを使っていた時期もありました。もちろん部屋の中にチャフが散らばってしまいます。コーヒークーラーはファンから出る風で急冷すると言いましたが、風は上に向くのではなく、本体内部に吸い取るように風を発生します。
要するに負圧がかかってるんです。つまり、コーヒークーラーは部屋にチャフを舞わせずに、本体内部に集めてくれるのです。結構強力な風なので、集塵力も大したもの。まわりに落ちてしまうチャフはほぼありませんでした。
コーヒークーラーには以上の2つのメリットがあるのですが、この2つだけで焙煎のラクさが全然違います!ハッキリ言って冷却がお家焙煎の一番めんどい作業です。なのでコーヒークーラーさえあれば、温度設定や火入れの時間など、他に集中したい項目により集中できるというわけです。
EC Hometec コーヒークーラーの長所と短所
コーヒークーラーの魅力について語ったところで、では僕が今回購入した製品はどうだったのかというレビューをば。
ちなみに、110Vとありますが、プラグが日本仕様の100Vコンセント用に作られているので、変換プラグ等は必要ありません。ボルト数の違いはあるけど、まあモーターが一つ回るだけなので大丈夫でしょう。今の所問題なく使えています。110Vということは台湾製?
長所
ミニサイズで邪魔にならない
本体サイズは約20cmと非常に小柄。なので置き場所にはあんまり困らないと思います。円形だからすごーく場所を取るかと思ったけど、杞憂に終わりました。
安い
2つ目の長所は、他のコーヒークーラーに比べて安いこと。時期によって値段が多少上下しているような気がするけど、1万円は超えないイメージ。似たようなもので余裕で1万円超えるものもあるので、海外製はリスクも考えてこのあたりが妥当かなと。
短所
実質250gがギリギリ
容量は350gとありますが、実際は250g(生豆時)で焙煎している僕が、ちょっとギリギリかな、と思う容量でした。深さはあるので350gでもあふれることはないと思いますが、風の通りが悪くなっちゃうかな。チャフを効率よく回収してもらうには、少しくらいは隙間がほしいので、僕なら350gまでは入れないと思います。また、特に浅煎りのコーヒー豆はチャフがまだ豆にくっついていて落ちづらいので、スパチュラかなんかで混ぜながら冷やすのもいいと思います。
作りが安っぽい
値段が安いとは言いましたが、それを鑑みても動力部のデザインはかなり安っぽいです笑。クーラーと電源スイッチをつなぐジョイントなども裏から丸見え、電源コードは飛び出ないようになんか縛ってあるし、大丈夫なんかこれ?って思います。多分電気に詳しい人なら、一瞬で自作できてしまうようなクオリティだとは思いました。まあしかし乱暴に扱わなければ大丈夫でしょう。
重要なのは、コーヒークーラーの形をしている、ということだけです。それだけで、3,000円のエアサーキュレーターより、1万円のこのコーヒークーラーのほうが焙煎においては価値があるんですよ。ボディは鉄でできているようで頑丈そうですが、配線がむき出しなので熱がかかるような場所に置くのは避けたほうがいいと思います。
焙煎方法にこだわるよりコーヒークーラー?
僕は普段、オーブントースターを使って焙煎をしています。しかし今回、本格的な焙煎器を買うよりも先にこのコーヒークーラーを購入してしまいました。その理由としては、コーヒー焙煎自体は手法にこだわらなくて良いと思ったからです。
焙煎の基本は似たようなもの
お家焙煎というものは手軽なものから本格的なものまであります。
手軽なものは手網、片手鍋、フライパンなどからできます。家にあるものか、安いものからでも大丈夫。僕のやっているオーブン焙煎も、手軽な手法の部類に入ると思います。家にオーブンがあればね。本格的なものになってくると、ガスコンロを使う手回し焙煎器や電動焙煎器、また、電気式の自動焙煎機まであります。自動焙煎は冷却までやるのがほとんどで、そもそもコーヒークーラーなんていらないですね笑。
まあただ、焙煎のノウハウって、どの手法を使っても似たようなものだと思うんですよ。それぞれ熱源や火力などに差はあって、味に変化は出ますが、火力調整や焙煎度合いの調整は大体一緒です。大事なのはある手法において、自分の仕上げたい味に安定して仕上げられる経験と技術です。ぶっちゃけ、オーブントースターでもかなり美味しく仕上がります。焼きムラは出るけど、手回し焙煎でもやり方によってはムラができるので対して変わらないと思います。
やりたくない工程を優先して自動化する
そうなってくると、どの手法を使っても避けられないのが、冷却とチャフの処理です。
これだけはだいたいやり方が同じで、先にも触れたようにうちわで扇ぐか扇風機で飛ばすか。焙煎は楽しくても、この工程は個人的には一番キライです。だから嫌いな工程をなくすためにお金を使うことを最優先したかった。然してその目論見は正解でした。冷却が快適になったおかげで、焙煎への意欲が湧いてきましたし。
みんなも焙煎時の冷却に困っているなら、ぜひ試してみましょう。
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