【ハンドドリップ】安価でも比較的役に立ったコーヒーアイテム
- 2021.10.08
- コーヒー
コーヒーマニアのみなさんはコーヒーアイテムにどれくらいお金を使いますかね?
いいものだとどこまでも高かったりするから、ぼくはつい真ん中のグレードの商品を買っちゃったりすることもありますね。そんななかで、僕が実際に使っていて、「安くても意外とこれでもいけるかな」なんて思うアイテムもありました。てなわけで、僕の愛用コーヒーアイテムの中から、比較的安くても役に立っているものを紹介していきます。
紹介する前に言いたいこと
いいものを買うに越したことはない
これから紹介する商品にはすべて、上位互換と呼べるものが存在すると思っています。要するに、予算があるなら違うものにしたほうがいいと思っているアイテムが多いです。決して高いものを買わなくてもこれがあれば十分、ということは言いません。個人的に、「余裕があるなら買い替えたいな」とも思っています。
どれもライトユーザーには十分なスペック
とはいえ、僕も自称コーヒーマニア、ましてお店でコーヒー器具を販売していた経験もある一応プロなので、全く使えないものを買ったりはしません。そこは少しは自信があります。これから紹介するアイテムは買ったことを全く後悔していないとは言わないまでも、気軽にハンドドリップを楽しむには十分なスペックです。
僕みたいに毎日ハンドドリップでコーヒーを淹れて、しかもいろいろな淹れ方を研究する、なんていう人でなければ金額的に丁度いいとも言えます。ご自身が、どのようなコーヒーライフを目指すかによって違いますのでぜひ参考にしてみてください。
注ぎやすい電気カフェケトル デロンギ KBOE1220J
最初に紹介するのは、デロンギ 電気カフェケト KBOE1220J-W。デロンギはおしゃれなキッチン家電が多く、電気ケトルも取り扱っています。僕が持っているのは、先が細くなっているハンドドリップ向けのモデルです。
メリット
10,000円超えない
細口になってる電気カフェケトルって10,000円超えるものも多いですけど、デロンギカフェケトルは今Amazonで10,000円しないくらいで手に入ります。僕は13,000円くらいで買った記憶がありますが、それでも性能がよく、かつおしゃれなケトルとしてはなかなかお買い得だと思いました。
いろいろな方法で注ぎやすい
10,000円以下って安っぽくて注ぎ口も適当なものもあったりしますが、デロンギのはかなり注ぎやすいです。ただ注ぎやすいんじゃなくて、いろいろなハンドドリップ方法に対応できるってのがいいです。例えばすこーしずつ注ぎたいときもお湯がまっすぐ下に落ちてくれますし、勢いよく注ぎたいときもそれなりに流量が稼げるようになっています。ので、いろいろなドリップの仕方を試したりしたい場合にはピッタリ。やろうと思えば、コーノ式ドリップみたいな点滴ドリップにも対応しますよ。電気ケトルなので重いぶん体勢を維持するのはつらいですが。
デメリット
ケトル内でお湯があばれる
色々な淹れ方に対応しやすいデロンギ電気カフェケトルですが、ちょっと気になるのが”お湯のあばれ具合”です。お湯のあばれ具合なんてキーワード、僕くらいしか使わないだろうってくらいマイナーな感想です。写真を見てもらうとわかりますが、デロンギケトルって下のほうが結構ふくらんだデザインになっているんですよね。こういうモノって、お湯が中であばれやすいんですよ。
お湯をドリッパーにまわし入れるために、ケトルをまわしたとします。すると中のお湯が、それに合わせて波打つわけです。その波のせいで、お湯を落とす位置がぶれたり、注ぎ口から出る流量が変わったりします。下が膨らんでいるタイプはそれだけ下部分の面積が広いので、ケトル内でお湯が波打ちやすくなります。一方極端に言えば、バルミューダのザ・ケトルのような全体的にシルエットの細いタイプは中でお湯があばれにくい、ということです。そのぶん容量も減りますが。
温度調整機能はない
僕の持っているデロンギ電気カフェケトルは、温度調整機能はありません。なので、例えば83℃でドリップを開始する、などというときは、沸かしたあとに所定の温度まで下げてあげる必要があります。そうなると温度計は必須。上位バージョンにあたる「KBOE1230J」には温度調整機能がありますが、50/60/80/95/100℃ とざっくりした調整です。
しかし、温度調整がないよりはだいぶラクになるはずなんです。通常は16,000くらいするはずなので、それならあと4,000くらい出してボナヴィータを買ったほうがいいでしょうが、安い時期なら狙っても良さそうです。ていうか本当は温度調整機能ついてたほうがいいんだけど、僕が温度調整機能なしのバージョンを買った1ヶ月後くらいに新商品として温度調整機能付きが出てきたんだよなぁこの記事を書いている段階では10,000円強くらいになっているので、ノーマルよりお買い得ですね。
どちらのモデルも白と黒で選べるよ
あるだけでQOLが段違い HARIO コーヒースケール
ドリップのコツをつかんだり、いつも安定して同じ味に仕上げるようにするに不可欠なのがドリップスケール。重さを測りながら時間も測るので、例えば蒸らしにどれくらいのお湯を注いで、何秒待つか、なんていうこともコントロールすることができます。僕も持っている、今回紹介するコーヒースケールはHARIO VST-2000 というものです。
メリット
あらゆるシーンで重さ、時間を測れる
ドリップを安定させるのに有効と言いましたが、メリットはそれだけではありません。これ一つあれば、コーヒー豆のグラム数を測る、ケトルに入っている水の量を測るなど、あらゆる重さを測ることができるので、あるのとないのでは快適さが断然違います。さらに時間を測る機能も、コーヒー豆の焙煎時間をカウントしたりとか応用が効きます。
クッキングにも使えるのでキッチンスケールがいらない
正直、家にコーヒースケール1台あれば、キッチンスケールはいらないと思います。僕みたいに、コーヒーブースが自分の部屋にあって、キッチンと場所が別であれば話は違いますが、大抵の人はキッチンにコーヒー器具が置いてありますよね。HARIO VST-2000は最大2kgまで測れるので、ガラスのボウルを置いて0gにして、小麦粉の重さを測る、なんてことも余裕です。VST-2000は最大2kgまで測れる、2g-200gまでの重さは0.1g単位で測れるなど、地味にキッチンスケールとしても優秀なスペックです。
デメリット
反応までの時間が死ぬほど長い
そんなに便利なら、VST-2000で十分ではないかと思われるかもしれませんが、自称コーヒー研究科として使い続けるには、致命的な弱点があります。それが、重さを加えてから正しい重さを計測するまでの時間、つまり「タイムラグ」です。
重さを加えてから画面に反映するのに平均で約2秒ほどかかります。例えば蒸らしのときに注いだお湯の量が正確に把握できるまでには、約2秒かかるということです。そのせいで注ぎすぎてしまうなんてことも珍しくありません。ある程度経験でカバーすることは出来ますが、ストレスを感じるのも事実。また、コーヒー豆を計量するときもラグがありますから、正確な量を測るのに結構時間がかかってしまいます。
音が無いので誤作動に気づかない
もう一つは上記に比べれば大したことではありませんが、ボタンを押したときにピッと音がしないことです。そのくせちょっと触れただけでボタンが反応してしまうので、誤作動していることもあります。大抵はドリップを始める前にグラムもタイムも確認するので、これのせいで実際にひどい目にあうのはまれですが。
いまAmazonでの値段があまり変わらないので、上位版のVSTM-2000HSVでもいいかも。違いは乾電池からバッテリー充電式になってること、ステンレス天板で清潔にできること。ぼくは充電が面倒だったのでVST-2000にしました。電池はめちゃくちゃもちます。
本格的なドリップを始めてみたい、という人にはオススメですが、真剣にコーヒーを研究する、という人にはハッキリ言って、ないよりはマシっていうアイテムです。できれば、アカイアみたいな高価で信頼のあるタイプを使うのがおすすめです。いいものはたいてい重さ計測のタイムラグが少ないです。
大抵はこれで必要十分? HARIO ガラスキャニスター
コーヒーライフで課題になるのが、豆の保存の問題です。
密閉しておくことはもちろんですが、例えば冷凍庫にいれるだの常温にするだの、宗教によって保存の仕方が違うので初心者のうちは判断するのが大変です。僕のいまのところの主張としては、一番無難なのが密閉で常温保存です。これが初心者でも失敗の少ない保存方法だと思っています。ただし、封を切った使いかけを保存する場合のみ。もし開封していないコーヒー豆を1ヶ月以上保存するなら、冷凍保存も有効でしょう。そこで安くても優秀な密閉容器としておすすめしたいのが、HARIO MCN-200 です。
メリット
ワンタッチで開け閉めできる
HARIO のガラスキャニスター MCN-200の好きな点は、普段密閉しているけどレバーを上げればすっとカンタンに開けられる点です。密閉容器って、空気が入らないようになっているがために、開けるときって意外と力がいりますよね。この容器はレバー操作でワンタッチで開けられるので、抵抗がゼロとは言いませんが非常に扱いやすい。
透明なので中身が見える
ガラスだと、中身が見えて常に残量がわかるのも魅力的です。僕はほぼ毎日コーヒーを淹れているので、いちいち残量を把握しながら次を焙煎したり買ってくるのはめんどいです。なので残量が見えている方がいい。しかも、コーヒー豆が見える分カウンターの見た目もGOOD。
1,000円超えない
もう一ついいところが、一つ1000円以内で買えるところです。大体どこでも700円位で手に入ります。それでワンタッチ開閉なのは非常にありがたい。また、比較的手に入りやすいというか、量販店やホームセンターとかでも置いてあったりすることが多くて助かります。
デメリット
MCN-200のデメリットは、メリットがそのまま裏返しになる感じです。
フタの洗い物が大変
洗うときに容器はただのガラス容器なのでラクなのですが、フタは複雑な形で若干大変です。原因はワンタッチの開閉部分。隙間までスポンジが届かないですからね。洗うときはまだいいけど乾かすのが大変です。ふきんが届かないところに水が残るので、自然乾燥を丸一日したほうがいいです。
太陽光でコーヒー豆が劣化しやすい
ガラスで透明になっているというのは見た目はいいし残量の確認もラクです。そのかわり、日光にあたると劣化するという弱点もあります。なので直射日光が当たる場所はもちろんNGで、なるべく太陽光から遠い場所に保管したいところです。全く光がないとこなんてないというか、そんなところで人間は生活しないので、どこに妥協点を持っていくか、という問題ですね。
品質にバラつきがある
値段が安いのはいいですが、フタと容器のはめあいなど、品質にバラつきが出ることも。僕の買ったものの中には、フタと容器がはめたときにずれるものがありましたし、レビューとかを見るとはめあいがゆるい場合もあるみたいです。僕は同じ容器を3つ持っていますが、洗ったあと、フタと容器の組み合わせによってゆるくなることがあるので、そいういうときは上下で良い組み合わせを探したりします。値段を鑑みると、多少のばらつきはしょうがないのかと思いますが、「HARIOの製品」というのを考えるとこの品質は微妙なところです。
おわりに
安いものを経験するのはアリ!
僕の経験から、ユーザーには自分にピッタリあったものを選んでほしいという思いはあります。それにやはり高くて評価も良い商品を買えば、ハズレを引きにくいということもあります。しかしながら、いちコーヒーマニアとしては、安いものや定番じゃないものを買ってみる、というのは大いに賛成でもあります。
例えば同じジャンルのアイテムでも、安いものと高いものの差や、各アイテムの長所と短所を知っていたりというのは、それだけでかなりのアドバンテージです。お店に来たお客さんの中でも、やはり研究が好きそうな人は少なからずいて、「とりあえず始めたいけど安くしたい」という意見もよく聞きました。そんなとき僕は、「良いものを最初から買うに越したことはないです、しかし、逆に一番安いものから初めて見るのも違いが知れて面白いです」と答えていました。そいういうことです。
今回言いたかったのはあくまで、良いものを買うに越したことはない、ということですが、もし不満なものを買ってしまったとしても、それは確実に経験になっているのであまり気にしないでください。と僕はいつも自分を励ましています。
コーヒーミルだけはこだわったほうがいい
とはいえ、あまり妥協しないほうがいいコーヒーアイテムもあります。それがコーヒーミルです。
変に安いミキサー式とか、安いわりに見た目だけいいハンドミルとかを買ってしまうと大変。コーヒーの品質は落ちるし、使いづらいわ、腕が疲れるわロクなことがない。僕は最初はカリタの一番安い木製のハンドミルを買いましたが、程なくしてカリタのナイスカットミル「ネクストG」を買いました。めちゃくちゃ安いものから、最高級クラスに乗り換えましたが、品質もラクさも月とスッポン。もしクオリティの高いコーヒーを味わいたいなら、最低でも1万円以上の、「フラットカッター」とか「コニカル刃」と呼ばれるものを装備したものにしましょう。
僕の古い記事見つけた。いいこと書いてるけど今と市場環境が違うよ。
記事書いてる時点で5万円かぁもう少し安くなるの待ってもいいかも(´・ω・`)
-
前の記事
【ハンドドリップ】HARIO MUGENはペーパーを絶対濡らさなければいけない理由 2021.09.02
-
次の記事
焙煎した豆を冷却 Amazonの怪しいコーヒークーラーを試した【Ryoのお家焙煎】 2021.10.29