HARIO最新型ドリッパー「MUGEN」VDMU-02を早速レビュー
- 2021.03.26
- コーヒー
普段新しいものには興味を持たないというか、人が注目していると食いつかないあまのじゃくな僕ですが、今回は違いました。
新しいドリッパーは収納スペースを圧迫するのであまり買わないようにはしていました。しかしHARIOさんからこんな面白いもの出されちゃ、試してみたくなるでしょ。どれくらい楽しみかというと、今この記事を書き始めているのは、ウチに商品が届く前の日です。あとで記事を書くのがラクなようにもう下書きを書いています。ここからどんなレビュー記事が出来上がるのか想像もできません(笑)。
お湯を一気に注ぐだけで、最適に抽出されるドリッパー。しかも、蒸らしの工程すら省くことができるようです。今までも注ぐだけでできるドリッパーというものは存在しましたが、蒸らしまで省いてしまうのは珍しいですね。V60シリーズという英雄を生み出したHARIOさんの最新型を早速試していきましょう。
9ヶ月後の僕のレビューもあるよ
新型ドリッパー「MUGEN」の特徴まとめ
というわけでついに新型ドリッパー「MUGEN」VDMU-02-TBが届きました!
Amazonで購入したのですが、…なんか値段高くない?( ゚д゚) VDMU-02-TBを1,980円で購入したけど、プラスチック製のTBは公式サイトで880円って書いてあって今Amazon見たら880円なんですけど。AmazonのHARIO公式ショップなんですけど…。一番早く手に入るから高かったのか?
(´;ω;`)
いや、そんなレビューが書きたいんじゃないんですよ。そんなことより特徴です。
他のドリッパーより圧倒的に少ないリブ
まず思ったのは、リブらしいリブがないことでした。
途中まで菱形になったほそーーい溝が、真ん中あたりで合流して底に流れているだけ。独特の形をしているので、抽出液の流れをコントロールできるよう狙っているようですね。下にコーヒーを流すというよりは、最低限詰まらないようにするくらいの役割なのかもしれません。
ドリッパー内に平坦な面が多い
リブが少ないということは、それだけ斜面に平坦な部分が多いということです。
コーヒー液はリブを伝って落ちるのが大部分で、ペーパーとドリッパーが密着している面はコーヒー液が落ちにくくなります。これは抽出に時間をかけられるという点もありますが、雑味が落ちすぎないというメリットもあるのではと予想します。特にドリッパー上部からコーヒー液が流れすぎると、過抽出の原因になったりするんですよね。コーノ名門ドリッパーの、上半分にリブが設けられていないのも似た原理です。一定以上の高さに湯だまりを作ることでサーバーに雑味が落ちるのを防ぎます。
円錐型ではトップクラスに小さい一つ穴
予想通りでしたが、MUGENの一つ穴は、かなり小さめです。蒸らしも入れず、一気に注いで完了するなら、ドリッパー内で一定時間溜まってコーヒー成分を抽出する必要があります。そのための小さな一つ穴なのでしょう。
実際に淹れてみた感想
抽出工程はとってもラク
MUGENは抽出を分けなくていいどころか、蒸らしの工程すら必要ありません。240mlのお湯を、ゆっくり適当に回し入れるだけ。あとは落としきるまで待つだけ、しかも抽出は2分ほどで終わってしまいます。
具体的な工程としては、
- コーヒー豆20gを中細挽きにする
- お湯は90℃くらいにする
- ペーパーをリンスしながらサーバーを温める
- コーヒー粉をセットして、40秒くらいかけて240ml注ぐ
ペーパーのリンスはやってもいいし、やらなくてもいいと思います。リンスするついでにサーバーをあっためられるし、ペーパーをドリッパーに密着させることができます。
味はクリーン、しかし驚くほど後味がある
お湯240mlに対して20gの豆って、結構えげつない量使うな、と思います(笑)。まあ人によっては当然のようにそれくらい使うんですけど。ただ、豆をたくさん使う分濃くなってしまうかというと、結構クリーンな味に仕上がりました。なんなら、一口目は「ちょっと薄いかな?」と思うくらい。
しかし、飲んでからの後味はすごい!まるで、豆の持っている良い味が全てカップに落ちているかのようです。これはつまり、雑味をなるべく出さずに美味しい部分だけを抽出できているということです。これって、ハンドドリップで実現しようとすると結構難しいことなんですよ。
豆を多く使うと、素早く抽出するとか、浸漬状態をうまいこと作るとかしてあげないと上手くいきません。これを実現する秘密はおそらく蒸らしを省いた点と、平坦なドリッパー面が関係しているのではないかと思います。というのも、抽出を終えたドリッパー内をみてみると、コーヒーの粉が恐ろしいほどキレイに、ドリッパー面に張り付いてすり鉢状になっているんです。お湯を注ぐだけでこんなにしっかりとV字型になるということは、ドリッパーの上と下全ての層から、バランスよく抽出がなされているということです。これには驚かされました。
どんな人にオススメのドリッパーか?
実際に抽出を終えてみて、だんだんこのドリッパーの特徴が見えてきました。ここから僕だったらどんな人に使ってみて欲しいか考えてみたいと思います。
テクいらずで美味しいコーヒーを楽しみたい人
ハンドドリップの腕を磨くのもコーヒーの楽しみの一つではあります。しかし、初心者の人や、休みに気軽に淹れたい人にはより簡単に美味しく淹れられる器具が欲しいところです。そんな人には使ってみて欲しいです。
品質の良いコーヒーを美味しく淹れたい人
僕が使っていて感じたのが、このドリッパーはコーヒー豆の味を全て引き出せるな、というところです。裏を返せば、質の低い豆は低いなりの味だとハッキリわかりそうな感じでした(笑)。サードウェーブ系の、浅煎りコーヒーのフレバーやテロワールを最大限生かしたい場合は、このドリッパーを使ってみるのも良いでしょう。
おまけ:MUGENを使ってみた細かい感想
ここからは細かい話ですが、1日使ってみた感想を残しておきたいと思います。
苦味が強いかもしれない
まず、深煎りのコーヒーを試してみた感じですが、少し苦味が強めだと感じました。飲み始めは全く気にならないのですが、後半になって冷めてくると、深煎り特有の刺激の強い苦味が目立つようになりました。浅煎りの豆も同様に、少しだけ苦味が強く抽出されるように思います。これは好みによって違うのですが、コクのある苦味というより、よりキリッとした苦味なので、苦手な人もいるかもしれません。
淹れ方による味の変化は少ない
これは簡単に淹れられるドリッパーなら当たり前のことで、デメリットというわけではありませんが、淹れる人や淹れ方による変化は限りなく少ないと言えるでしょう。お湯を注ぐだけなので、味に変化を与えるとしたら、主に挽き目と抽出温度ですね。ただし、淹れ方による変化が少ないということは即ち、安定した味を出しやすいということができます。
メリタの一つ穴ドリッパーと比べてどうよ?
ここで気になるのが、同じようにコツいらずで簡単に抽出できるメリタのコーヒーフィルターシリーズと比べて、どちらがいいんでしょうか。僕なりの見解をいうと、
- 「豆をいっぱい使ってもいいならMUGEN」
- 「サードウェーブ系の味を狙うならMUGEN」
豆をいっぱい使って、美味しいところだけを引き出すのが得意なようなので、少ない豆でやってしまうと、このドリッパーの良いところが出にくいかもです。あと、サードウェーブ系コーヒーでけっこう重視されるのは、「クリーンカップかどうか」です。品質の良いコーヒーを使って、サードウェーブ系の有名店のような味に近づけたいなら(もちろんエスプレッソ系じゃなくてドリップ系のお店ね)、MUGENを試してみて損はないと思います。
商品が届いたその日にレビュー的なものを書いてみましたが、また使っていくうちに感じたことがあれば語ってみたいと思います。
↓しばらく使ったあとのレビューというか、使用のコツみたいな記事もあるよ
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