ハンドドリップはブラウン、ホワイトペーパーどっちを使う?【浅煎りコーヒー】
- 2021.08.26
- コーヒー
あなたはペーパードリップでコーヒーを淹れるとき、茶色のペーパーフィルターと白色のペーパーフィルターどちらを買いますか?僕はもともと生粋のホワイトペーパー信者でした。
「ホワイトは漂白されていて、パルプ特有の匂いが少ないのでコーヒー本来の味を楽しめる。」
これが通説というか、よく聞く「美味しいコーヒーの淹れ方」ってやつです。実際、ペーパーを最初に濡らしたときの臭いもホワイトの方が少ないですし。しかし最近になって、「ホワイトの方が良い」のではなく、「ホワイトとブラウンで味が違う」のではないかと感じてきました。
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そもそもホワイト、ブラウンペーパーの違いは?
もともとペーパーフィルターの色というのは茶色です。
ホワイトペーパーは、茶色のパルプ素材を漂白したもので、漂白の工程で色と一緒にパルプ臭もある程度抜けていきます。ブラウンは漂白をせずに仕上げているもの、「みさらしタイプ」などとも言ったりします。昔は漂白するのに薬とかが使われていてどうなの?って理由でブラウンタイプを使う方も多かったと思います。実際今でもホワイトってどうなの?って聞かれることも多いですし。
しかし今はより安全な(酸素漂白だか)方法で漂白するので、どちらが安全とか、どちらがエコとかいう心配はほぼ要りません(厳密に言うと、ブラウンの方が漂白しない分臭い抜きに大量の水を使うので環境にどうなのって話もあるとか…)。
そうなると、あとはドリップしたあとの味がどうなるのっていう問題だけになってきますよね。
ホワイト、ブラウンペーパーによる浅煎りコーヒーの味の違い
ホワイト、ブラウンによる味の違いと傾向があるという仮説を立てて、実験してみました。実験に使用したドリッパーは「HARIO MUGEN」「コーノ名門K」です。どちらも僕の地元では比較的容易にホワイトもブラウンも手に入ります。
ホワイトペーパーの味の特徴
それぞれで淹れ比べてみると面白いくらいに味が違い、なおかつ一定のパターンがありました。
まず今まで僕が使っていたのと同じホワイトペーパーは、深みとコクのある味に仕上げることが出来ます。これは通説通り、コーヒー本来の味の成分がなんのクッションも無しに舌で感じられているのではないかと。酸味は少しだけ抑えられているように感じますが、角が立っていないというだけで、少ないわけではありません。刺激的な酸味ではなく「ベリー」のような味を感じやすくなります。苦味は少し強いように感じます。これも、味がはっきり出ているからかな、という感じ。
ブラウンペーパーの味の特徴
対して、ブラウンに変えてみたらHARIOだろうがコーノだろうが味がガラリと変わりました。
コクと深みは、ホワイトよりほんの少し少なめ。代わりに、キラッとした爽やかな酸味が目立つようになったと思います。味の傾向としては、ホワイトが「ベリー」なのに対しブラウンは「柑橘」って感じ。特にケニアやコスタリカのような柑橘風な酸味を楽しむにはもってこいでしょう。苦味は少しだけ抑えられているように感じます。察するに、パルプ臭がほんの少し残っている分、コーヒーの中のある一定の味と香りが抑えられて、代わりに酸味が目立っているのでは無いかと。
なお、僕は深煎りコーヒーを普段飲まないので、今回深煎りコーヒーでは実験しませんでした。ただ、僕の記憶では確かブラウンの方が柔らかいまとまりのある苦味に仕上がっていたような気がします。
ペーパーの使い分け応用編
さて今までの実験結果を振り返って、色々と可能性が広がってきたわけですが、僕の今まで研究してきた経験と合わせて、コーヒーの新しい楽しみ方を提案してみます。
ドリッパーではなく、ペーパーで味のレパートリーを増やす。
今回の実験で感じたことの一つに、同じ円錐型ならドリッパーを変えるより、ペーパーを変えるほうが味が強く変わるような感じがしました。もちろんドリッパーでもコーヒーの性格も変わります。このブログでもさんざん語ってるしね(笑)。しかしながら、もしドリッパーをあまり何種類も持ちたくない場合でも、ペーパーさえ用意しておけば、ドリッパー1つに対して2種類の味を再現できることになります。特にHARIO V60を持っていて、そこに純正ペーパーがホワイト、ブラウンと揃っていれば、結構どんな味でも作り出せるのではないでしょうか。
浅煎りと深煎りでペーパーを使い分ける
僕みたいにほぼ浅煎りコーヒーオンリー、ではなくどちらも楽しんでいる人は、「浅煎りはこの淹れ方でいいけど深煎りだと納得いかない!」なんてことはよくあると思います。浅煎りでの好みと深煎りでの好みは傾向が違ってきますよね。そんなときにペーパーの種類を増やすだけで、ドリッパーの種類、淹れ方と合わせてかなり可能性が広がってきますよね。
「浅煎りはホワイトだけど深煎はブラウンにするか!」
なんていうアプローチも期待できます。
豆の種類でペーパーを使い分ける
今回の実験と僕の経験から一番ビビッと来たのが、コーヒー豆に合わせたペーパーの使い分けです。
すごくざっくり分けてしまうと、「柑橘系」か「ベリー系」か。コスタリカ、ケニア、コロンビア(?)あたりは個人的に柑橘のフレバーを尊重したいのでブラウンペーパーを使う。一方、ルワンダ、エチオピア、メキシコもそうかな、このあたりはベリー系の酸味と複雑な味を活かすためにホワイトペーパー。
ブラジルだったら、ペーパーで180°味が変わったりしそう。なんていうふうに使い分けるだけで、同じドリッパーを使ったとしてもより各豆の性質を活かすことが出来ます。これ、例えばHARIO MUGENでやったとすると、コツいらずでラクに淹れられるうえにコーヒー豆に合わせた抽出ができるので非常にラクなんですよね。
終わりに
もともと僕はKEYのクリスタルドリッパーが好きで、その他のドリッパーを補助に使っていました。
KEYって、純正ではブラウンペーパーしかなくて、それでクリスタルはキラッとした酸味が強いのだと思っていました。しかし、最近ふとHARIOのペーパーをホワイトからブラウンに変えてみて、クリスタルの味に近くなったと感じたのです。そこで今回の仮説と実験を思いついたという経緯があります。
「KEYもホワイトペーパーがあったらいいのにな(´・ω・`) 」
なんて悩みを抱えていましたが、あれは狙った味を出すためのブラウンペーパーだったんですねきっと。余談ですが、ホワイトペーパーだとベリー系の味を活かせると言いましたが、これは同じく白いコットンペーパーや、アバカフィルターなどにも同じ傾向があります。やはりパルプ臭のある無しが、味の違いを2分するようですね。
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