非接触放射温度計でコーヒーのお家焙煎が劇的に向上した件
キッチン温度計には大きく分けて、針を刺して使うタイプと、非接触で測る放射温度計とがあります。
針刺しタイプは持っていたのですが、どうしても今回放射温度計がほしかったので買ってしまいました。理由はコーヒーのオーブン焙煎のためです。結果としては買ったことで焙煎のクオリティすら劇的に上がってしまったためレポートを残します。
僕のやっているコーヒーのオーブン焙煎とは
放射温度計を買ってしまった理由
僕はコーヒーの「お家焙煎」ということで、家庭で気軽にできるオーブントースターを使った焙煎について研究しています。
オーブントースターって温度設定ができますよね。加えて僕は庫内温度系をオーブンの中に設置しています。なので自分の好みの火力に仕上げやすいのが利点なのですが、測っているはあくまで庫内温度であって、豆の温度ではありません。先述のとおり針を指して使うキッチン温度計も持っていますが、まさかそれを庫内に放り込んでおくわけにもいきません(笑)。
別に豆の温度がわからなくても豆の色や香りの変化で判断することはできるのですが、自称研究家としては、やはりどんな温度変化で豆にどんな変化を与えているのか知りたいわけです。そこで目をつけたのが、非接触型の放射温度計でした。
- 測定が一瞬でできる(オーブンを開ける時間が最低限で済む)
- いろいろな焙煎方法でも使えそう
- 思ったより値段が高くない
まさにオーブン焙煎と相性バッチリです。特に、オーブン焙煎だけではなく、手回し焙煎などをやりたくなっても、同じように測定することができるであろう汎用性は大きなプラス要素です。
放射温度計を使ったオーブン焙煎の方法
- 庫内温度系を見て設定温度まで予熱して豆を入れる
- 1分ごとに豆の表面温度を測定してメモしていく
- ゴールド、1ハゼのタイミングもメモしておく
- 好みの焙煎度に仕上がったら仕上がり温度をメモして終了
今までは時間を見ながら、色と香りの変化だけを見ていましたが、今回からは各時間ごとの豆の温度変化と合わせて記録することができます。オーブントースターは予熱機能が無いものが多いので、庫内温度系も引き続き役に立ちました。僕は最近180℃と200℃で焙煎することが多いで、それぞれ実験してみました。
180℃は比較的低温で、味のインパクトはありませんがマイルドに仕上げることができます。200℃は反対にインパクトが強くなってマイルドな感じではなくなります。こうして毎回焙煎を記録していけば、自分の好みに仕上がったときの焙煎プロファイルが完成するので、それを参考に焙煎を進めることができるようになるでしょう。
豆温度を測定して何がわかったか
結果としては、非常に満足のいく結果になりました。記録した温度をグラフに落とし込んでみると、下図のようになりました。
普段はミディアムローストあたり、1ハゼが始まるか始まらないくらいの時間で終了していて、仕上がり温度を見ると205~210℃あたりでした。グラフのオレンジ色の点はゴールド、色がオレンジがかって、香りが変化しています。200℃の最後の点は1ハゼなのですが、180℃で焙煎すると豆の膨らみが不十分で、1ハゼを感じることができません(あんまりよくないです)
ゴールドの状態では、生豆特有の青臭い香りが抜けて、フッとコーヒーっぽい香りに変わってくる瞬間が来ます。正直、僕は今のところ独学なので、正しいゴールドの位置を捉えているか疑問ですが、焙煎の進み具合の1つの基準として一応見ています。180℃と200℃では、ゴールドの位置が8分、13分と5分間の開きがあって、仕上がりも6分ほど違います。
仕上がったコーヒーの味の違いと合わせて、しっかりと違いが可視化できるようになりました。またオーブントースターはヒーターのOn/Offで温度調整するため、グラフがジグザグしているのもわかります。あんまりよくない現象でしょうね。
180℃での焙煎はマイルドで僕好みですが、豆の膨らみが十分でなく、よく火が通っていない豆も散見されます。低温で焙煎するにしても、200℃位で抑えておくとカロリー不足を防げるかもしれませんね。今後同じように測定しながら焙煎を重ねて、理想のプロファイルを目指して行ければと思います。
今回購入した放射温度計について
今回僕が買ったのはドリテックの放射温度計 O-604 というモデルです。グリップタイプで持ちやすい、測定がはやい、ほしい性能がしっかりあって値段が高くないということで結果としては一般家庭ではおすすめモデルです。
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